市民後見人制度についてお聞きしました。―品川区成年後見センター

 現在は家族と暮らしている生活も、10年後20年後は?  子どもが成人になり家を離れることもあるでしょう。連れ合いにも先立たれ、孤立した生活になってしまうこともあります。歳をとり判断能力が落ちてきたらと思うと不安です。そこで全国で初めて、社会福祉協議会による成年後見申立ての代理を行う品川成年後見センターへ、*ACTの市民後見研究会のメンバーとお話を伺ってきました。

 成年後見制度は認知症や知的・精神障がい者など、自分で十分な判断をすることができない人が、財産の取引などの契約や各種手続きを行う時に、一方的な不利な契約を結ばないよう法律面で支援し、適切な福祉サービスに繋げるなど生活面で援助し、本人の権利や財産を守る制度です。この制度は、すでに判断が不十分な方には「法定後見制度」と将来の不安に備えたい方に「任意後見制度」の2種類があります。(詳しくは品川成年後見センターHPをご覧ください。わかりやすい「マンガで読む成年後見制度」もあります。)

 高齢化が進む中で、弁護士などの専門職や家族だけでは、市民ニーズに答えることはできないので、市民後見人の養成や活用が重要になりますが、品川区のような十分な対応ができているとはいえません。困っている方を福祉サービスにつなげたり、財産を守ることは、生き死に関わる深刻な問題です。これからの成年後見制度の先駆的モデルといえる品川成年後見センターの成功事例をぜひ広げてほしいものです。センターでは市民後見人が持つ社会的責任の負担を軽減するため、専門機関のアドバイスや連携を充実させ、報酬も保障、社会貢献の意味で生き甲斐も期待できます。財政的にも事業としても成り立っていることから、他市とは違い積極的に取り組んでいる様子がよくわかりました。品川の事例は立川市も参考にすべきと感じました。(H.T記)

市民後見人に関心のある方、ご一緒に勉強しませんか?立川市の窓口は、立川市社会福祉協議会「地域あんしんセンターたちかわ」042-529-8319

*NPO法人アビリティクラブたすけあいは地域たすけあいワーカーズのネットワークです。