添加物との上手なつきあい方

まちのあれこれレポート 立川市消費者団体連絡会30周年記念−講演会 11月25日

 立川市消費者団体連絡会30周年記念−講演会  
「食と農と環境と」〜添加物との上手なつきあい方〜(講師 阿部司さん)が行われました。

 講師の阿部司さんは、総合商社の食品加工の開発に関わり、添加物を扱っていました。阿部さんを「食品添加物の神様」という人もいうぐらい、添加物の専門家です。その阿部さんが、退職後、無添加食品の開発や伝統食品の復活に取り組み、添加物の現状や食生活の危機を訴える講演活動を精力的に行っています。

 私たちは、食品添加物を一年間にどのぐらい食べているか皆さんはご存じですか?4キロとも5キロ、とも言われています。知らず知らずのうちに想像以上に摂取していることがわかります。外食やスナック菓子、清涼飲料水、カップめんなどを常食している人はもっと摂取していることになります。添加物は石油から作ったものや虫の糞や内臓のぬるっとしたところから作られた天然物などがあります。安くて、調理の手間がかからない、きれいいな色やトロットした食感、日持ちをさせる、便利な食品をつくるには欠かせないものです。何よりも、消費者が一番、そういった食品を望んでいる実態が阿部さんのお話から解ります。

 以前から疑問に思っていたカロリーゼロの甘味料について、阿部さんは、数年前から使われはじめ新しい添加物、今後どうなるか疑問だといっています。添加物はすべてが安全を確認できているわけではなく、使用されてから発がん物質だと分かり、使用が禁止されることも少なくないからです。
 食は、命の元です。私たちは、安いことや、時間を優先するあまり、この命の元をおろそかにしてはいないか・・・私たちが優先順位を変えない限り、食を取り巻く安全安心の問題は解決しないと、改めて思いました。

*阿部さんの著書「食品の裏側」(東洋経済新報社)は日本だけでなく台湾版や韓国版などもあり、中国語にも訳されています。新たな著書「なにを食べたらいいの?」(新潮社)が出ました。
(F・T記)